中国、不動産税軽減も強力な刺激策は回避

中国の不動産税の軽減

中国政府は、住宅販売にかかる付加価値税（VAT）の免除政策を延長すると発表しました。この動きは、長期にわたる不動産の低迷を安定させるための新たな政策の一環です。ただし、北京はあくまで選択的な支援策を優先し、より積極的な介入を行わない方針を示しています。 この政策は、個人が所有している住宅を2年間保有した後に販売する場合、VATが免除されるという内容です。これは、2026年1月2日から施行され、2年以内に売却された場合は3%のVATが課せられます。この措置は大手都市での過去のルールに比べて、象徴的ではあるものの、比較的小規模な緩和措置と位置付けられています。

不動産市場の現状

中国の不動産市場は現在、売上の減少、顧客の信頼感の低下、開発業者の資金流動性の悪化に直面しています。特に、中国恒大グループを含む複数の大手企業が倒産または再構築の危機に瀕しています。最近の公式データによると、中国の住宅価格は前年同期比で急激な下落を記録しており、この景気低迷が消費者の信頼感に影響を及ぼしています。 政策当局者は、経済成長を安定させる努力の一環として、不動産市場への支援強化を表明していますが、現時点では大規模な現金補助や政府の投資を通じた在庫処理といった強力な措置には踏み込んでいません。このため、VATの免除延長は、業界への圧力を軽減するための新たな挑戦であるものの、需要の弱さ、開発者のバランスシートの健全化、価格の低迷に対処するようなより広範な政策が必要とされていることを指摘するアナリストもいます。