テスラが記録的高値、ロボタクシー期待がEV販売の逆風を上回る

テスラの株価が新しい最高値に達し、投資家たちは自動運転の長年の約束が実現に近づいているとの楽観論に沸いています。これによってテスラの時価総額は約1.63兆ドルに達し、世界で最も価値のある上場企業の一つとしての地位を確立しました。 CEOのイーロン・マスク氏がテスラがオースティン、テキサスで安全モニターなしで完全自動運転の車両テストを開始したことを確認したことが、株価の急上昇の直接的なきっかけとなっています。この開発は、テスラがソフトウェアを通じて既存の車両フリートをロボタクシーに変換できるという、長年の理論を再燃させており、伝統的な自動車製造を超えた高マージンのプラットフォーム型収益源の開放を意味します。 年初には、納車の減少や自動車収益の低下、マスク氏の政治活動に対する反発からテスラ株は36%下落しましたが、ここ最近の第三四半期の収益が再び成長に向かう中で、楽観的な感情が高まっています。その結果、10月以降に約40%の株価上昇が見られました。 しかし運営面では状況は一様ではなく、米国や欧州での販売が圧力を受ける一方、中国市場での強い勢いとドイツのバッテリー事業への€12億の投資などの拡大計画があります。株式の評価はトリプル桁の利益倍率でますます膨張しており、実行ミスの余地はほとんどありません。 今後のテスラの見通しは、自動運転が約束からスケールの現実に移行できるかにかかっています。ロボタクシーのテストの進展が投資家の期待を維持できれば良いのですが、規制の障害、安全性への懸念、競争が激化していることから、ボラティリティがテスラの次のフェーズにおいて引き続き定義的な特徴となるでしょう。