オーストラリア雇用統計が示す厳しい現状

オーストラリアの2023年11月の雇用統計が発表され、失業率は4.3%と予想の4.4%を下回ったものの、雇用者数は-21.3Kと予想の+20.0Kを大きく下回りました。これにより、市場は雇用市場が予想以上に厳しい状況であることを認識したと言えます。特に注目すべきは、フルタイムの雇用者数が-56.5Kであり、前の月の+55.3Kから大幅に減少している点です。この状況は、労働市場の健全性に対して懸念を抱かせる要素となっています。さらに、労働参加率は66.7%であり、前回の67.0%からも減少しています。これは、失業率が低下した要因の一つとして説明されますが、参加率の減少が続けば、実際の失業率は4.6%に達する可能性もあるとのことです。 また、RBA（オーストラリア準備銀行）が前日決定を下した後、Bullardがよりタカ派的なスタンスを示し、市場は3月に利上げの可能性を33%と見込んでいます。しかし、このデータをもとに、利上げが実現するには厳しい局面が待ち受けているかもしれません。経済の複雑な回復過程を考慮すると、今後の動向には注意が必要です。